2018年2月にISEP Energy Chartを開設してから、おかげさまで2周年を迎えました。これを記念し、これまでの電力データ(2016年4月〜2019年12月)や出来事を振り返り、10大ニュースとしてまとめたいと思います。
あくまで担当者の主観に基づいたランキングですので、気軽にお読みください。該当する部分の発電量の推移グラフへのリンクや、ブログ記事のリンクもありますので、ぜひそちらもご覧ください。
第10位 2018年12月 電力データ公開が3か月ごとから1か月ごとに変更
それまでは3か月ごとに公開されていた電力の1時間データが、2018年10月分のデータから1か月分ごとの公開となりました。電力広域的運営推進機関(OCCTO)での公開も始まりました。もちろん公開時期が早まったのは良いことなのですが、担当者だけでは更新が追いつかず、インターンの努力に感謝しております。
参考Blog記事:OCCTOが電力需給データとグラフの公開を開始
第9位 2018年5月5日 北陸電力管内で1日の自然エネルギー割合(水力含む)が81.6%
2016年以降、北陸電力管内は1日における自然エネルギー割合が、全国で最も高い値となりました。また、時間別において同日15:00に自然エネルギー割合が93.6%と、非常に高い値を出しました。2019年10月時点で、自然エネルギーの割合が50%を超えたのは、東北電力(2017年以降毎年)と四国電力(2017年)となっています。
第8位 2019年4月28日11時 東京電力管内で48.1%
東京電力管内で需要に占める自然エネルギー割合がほぼ半分(45.0%以上)に達した時間帯がある日は、2018年に1日、2019年に4日ありました。2016年度の最大値は31.5%であったことを考えると、3、4年でも大きな変化があることが分かります。
第7位 2018年9月下旬 Agora Energiewendeを訪問
サイトを立ち上げる時に参考にしたAgoraを訪問できたのはとてもよい機会でした。今もAgora meterを始め各国のデータ可視化サイトを参考にしています。
参考Blog記事:Agora Energiewendeとの意見交換1 ドイツの電力見える化
第6位 2018年1月22日 関東地方で大雪
関東で大雪となり、屋上設置の太陽光で除雪ができない場合も多く、東京電力管内の太陽光の発電量が数日間大幅に下がりました。また火力発電所が停止していたこともあり、需給が逼迫しました。
参考Blog記事:2018年1月22日の関東地方の大雪
第5位 2018年2月14日 ISEP Energy Chart開設
Energy Chartの企画が始まった時から、多くの方にアドバイスをいただき、無事サイトを開設できたときはとても嬉しかったのですが、その後の運営、データのアップデート、Blog記事の配信と大変になってきました。インターンやボランティアの協力を得ながら、なんとか運営できています。
参考Blog記事:ISEP Energy Chart 開設
第4位 2019年5月4日11時 日本全国で水力を除いて52.8%
50%を超えた理由としては、ゴールデンウィーク中で需要が少ない上に、ほとんどの地域の電力管内で自然エネルギー発電量(水力除く)が最大値レベルであったため、と考えられます(東北電力、北陸電力、関西電力、中国電力ではこの日時が最大値)。また、水力発電を含む自然エネルギーの発電量は62.9%であり、こちらも2016年以降最大の値です。
第3位 2018年10月13日 九州本土で太陽光発電の出力抑制
2018年は10月13日以降、九州本土で太陽光発電の出力抑制が行われました。画像は10月14日に実際に出力抑制が行われた太陽光発電プラントのデータです。2018年11月3日には風力発電も出力抑制の対象となりました。2019年は前年と比較すると頻度が上がり、3月には15日間、4月には19日間の抑制が行われました。
参考Blog記事:九州本土で10月13・14日に初の出力制御か
第2位 2018年9月6日 北海道でのブラックアウト
2018年9月6日3時7分に発生した北海道胆振東部地震により、北海道全域で停電し、日本で初めてブラックアウトが起きる事態になりました。その後太陽光発電、風力発電は発電できる状態でしたが、需給を調整するシステムが整備されておらず、系統につなぐために時間を要しました。
参考Blog記事:北海道のブラックアウト
第1位 2018年5月20日10時〜12時 四国で自然エネルギーが需要を超える
この時間帯、四国電力管内の自然エネルギー供給割合は電力需要に対して100%以上に達しました。1日あたりでも52%に達しています(うち太陽光24%)。
また九州電力では、2018年5月3日12時台に太陽光発電が電力需要の81%に達し、自然エネルギー比率では最大96%に達しました。
参考Blog記事:2018年5月20日に四国電力で自然エネルギー100%超
2020年にEnergy Chartは3年目に入り、環境エネルギー政策研究所は20周年を迎えますので、より活動を発展させるべく、企画を進めています。
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