日独の自然エネルギーやエネルギー長期目標、デジタル化への本気度の違いを痛感しました。
以前のBlogでもお知らせしたとおり、2018年5月24日(木)に東京・新橋にてクラブヴォーバン主催イベント「日本とドイツの再エネとそのデータの活かし方を考える」の中で、「データと実務で理解する日本の自然エネルギーの明暗」と題してEnergy Chart、日本のエネルギー政策、メガソーラーのトラブルなどについてお話しさせていただきました。加えて、まだエナジーチャートのデータ更新はできていませんが、2018年1月の東京での大雪の影響による電力需給状況も紹介しました。後日ブログに掲載するとともに、2018年1月〜3月分の電力需給のグラフを更新していきます。
一方、ドイツ在住のコンサルタント西村健佑さんは「データを活かすエネルギーのインダストリー4.0、Utility4.0と自然エネルギーの活かし方」と題して、VPP(仮想発電所)をはじめデジタル化でエネルギーシステムや市場が変わってきており、今後さらに大きな変革が起こることが予想されているとのことです。ドイツからの報告で最も興味深かったのは、近い将来のドイツの1次調整力市場で最も機動的に調整を行うのは蓄電池となり、2次調整もバイオマスや需要側含めて行なっていくだろうという考え方です。また、西村さんの講演タイトルにもなっているUtility 4.0というドイツ語の報告書の結論からは、全てがデジタル化・ネットワーク化していく中で、既存電力も新規企業もチャレンジしなければ退場することになるだけというメッセージが強く打ち出されていました。
実は西村さんとは私が2010年にドイツに留学していたころに同じ研究科に所属していました。それから時間が立ってお互い経験を積み、このような場で並んでお話させていただく機会をいただけたことに感謝しております。
(ISEP主任研究員 山下紀明)