Agorameter(アゴラメーター)の主要な意義は、データの見える化への需要を作り出したこと、よりわかりやすいデータで多くの人にエネルギー転換の現状を知ってもらい支持してもらうこと、議論のための情報を届けること、だそうです。
今回はAgora Energiewende(アゴラ・エネルギーヴェンデ)と意見交換した際の、アゴラメーターの印象的な点について書いていきます。
前回のBlogでもお話ししましたが、アゴラ・エネルギーヴェンデはISEP Energy Chartが参考にしたウェブサイトの一つです。
ドイツでの電力需給見える化サイトは他にフラウンホーファー太陽エネルギー研究所 Energy Chartsや ドイツ連邦ネットワーク庁 SMARDがあります。
アゴラメーターは2013年から運用されていて、フラウンホーファーのEnergy Chartは2014年から現行のページを運用しています。
そして、SMARDはその後アゴラ・エネルギーヴェンデの元所長(Rainer Baake)が経済エネルギー大臣になり、アゴラメーターのようなサイトを作るように指示したとのことです。その際、アゴラ・エネルギーヴェンデ内部でアゴラメーターを続けるかどうか検討したそうですが、政府よりも良いサイトを作るということで続けることにしたという話が印象的でした。日本でもそのような健全な競争状況になることを期待したいです。
アゴラメーターは再エネについて情報を知りたいと考える方が何度もアゴラ・エネルギーヴェンデのサイトを訪れる「マグネット」になっているというコメントも印象的でした。「今日は晴れているから、どれくらい発電しているだろうか」と思ったら、すぐに見られるのは、リアルタイムのデータ(一部推計を含みます。)を提供しているドイツならではだと感じました。
また、日によってはリアルタイムデータが欠損している場合もあります。訪問した日もちょうど火力のデータが公開されていませんでした。しかし、その場合も欠損しているところもそのまま見せることで情報の透明性が保たれ、どの程度しっかりした情報なのかを利用者に実感してもらうことを意識しているとのことです。
また、このままエネルギー転換(Energiewende)が進んだ場合の、15年後の今日の電力需給状況を簡易的にシミュレーションしてみせる機能も作る予定だそうです。
アゴラメーターの利用者としては、学生と研究者がもっとも多いようですが、幅広い方が見ています。
これまでのアゴラメーターの主要な貢献は、データの見える化への需要を作っていること、よりわかりやすいデータで多くの人にエネルギー転換の現状を知ってもらい、支持してもらうこと、議論のための情報を届けること、と述べていました。
次回は、アゴラ・エネルギーヴェンデからいただいたISEPEnergyChartへのアドバイスについてお話しします。