2016年度電力需給データの見直しで浮かぶ疑問

2016年度電力需給データについて、中部電力では数百MWh規模の太陽光データの上方修正、東京電力では揚水、水力、連系線を中心に数千MWh規模の修正が入っています。

2017年度10月~12月のデータ更新に合わせて、2016年度のデータの確認、見直しを行いました。前回データを整理したのは2017年12月上旬でしたので、その後中部電力と東京電力で上記の修正が入っていました。それに伴い、探索の結果も変わっているところがあります。

中部電力は毎時の供給力の合計は変わっていないのですが、太陽光のデータをほぼ全般に上方に見直したようで、その分火力の値が減っていました。ほぼ1年間にわたって太陽光は上方修正されていて、増分が最大だったのは、2017年3月4日12時の347MWh増(4388MWh→4735MWh)でした。(まれに-1~-6ほどで下方修正)

この見直しの理由を問い合わせたところ、欠測データ等があったためとのことです。また太陽光に限らずデータ自体が速報値扱いのため、今後も修正が入る可能性はあるとのことです。

中部電力のデータページには下記の記載があります。(他の一般電気事業者も同様の記載をしています。)

  • 実績データを基本とするが、把握実態により計画・統計データを採用する場合があり、情報は速報扱いとし、修正が必要となった場合には事後的に修正する

次に、東京電力では以下の4点が修正されていました。

  1. 揚水は5月データのみ、-1810MWh~3270MWhの修正
  2. 水力は8月データのみ、-730MWh~1640MWhの修正(これは以前のデータが1時間ずつずれていたようです。)
  3. 連系線は11月以降、-2370MWh~1340MWhの修正
  4. 全体の需要と供給総量はほぼ変わらず、上記に合わせて火力が増減

特に、1と3の見直しの理由について問い合わせを行ったところ、データ集約の配分が違う箇所があり、修正したとのことでした。

東京電力のデータページにはこちらの記述があります。

  • 発電実績は、推計実績を含んでいます。
  • 公表値は、過去にさかのぼり修正させていただく場合があります。
  • 公表値を修正する場合に、修正のお知らせや修正前の需要実績の提供はいたしませんので、予めご了承ください。

修正を行うこと自体はより正確なデータの提供につながるため、基本的に良いことだと考えています。しかしながら、やはり修正があった場合にはいつ修正があったかを示しておくことは、データ利用の利便性向上や信頼性向上に向けて必要なことではないでしょうか。

基本的に全て速報値扱いなので、いつ確定値となるのか?という疑問が浮かびます。また、他の一般電気事業者は定期的に過去のデータの見直しを行なっているのか?という疑問も出てきますので、今後順次確認していく必要があると考えています。